3rd Full Album

WANIMA 3rd Full Album [Catch Up] リリース特設サイト

通常盤(CD): 3,410円(税込)
初回限定盤(CD+Blu-ray): 5,940円(税込)

WANIMA 3rd Full Album [Catch Up] JKT画像

初回限定盤仕様

WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2022 (Blu-ray) ※WANIMAライブシーンのみ + Catch Up TOUR -1 Time 1 Chance- フォトブックレット + 三方背BOX

収録曲

1.Catch Up / 2.名もなき日々 / 3.1988 / 4.Do you get it now? / 5.遠くまで / 6.夏暁 / 7.FLY & DIVE / 8.Chasing The Rainbow / 9.曖昧 / 10. Damn away / 11.This That Shit / 12.Oh⁉ lie! wrong‼ / 13.扉の向こう / 14.眩光 / 15.あの日、あの場所 / 16.バックミラー / 17.サシヨリ / 18.遠ざかる声に / 19.Midnight Highway / 20.舞台の上で

WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2022 (Blu-ray)※初回限定盤のみ

1. Hey Lady / 2. Japanese Pride / 3. つづくもの / 4. リベンジ / 5. オドルヨル / 6. 愛彌々 / 7. 夏の面影 / 8. THANX / 9. いいから / 10. 雨あがり / 11. Cheddar Flavor / 12. HOPE / 13. 眩光 / 14. エル / 15. BIG UP / 16. 1106 / 17. ともに / 18. ここから

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A:オリジナル・コースター (楽天BOOKS ver)
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  • ※特典Bはファミリーマート受取限定の特典となります。
    ファミリーマート受取の場合、特典Aは付きませんのでご注意下さい。
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  • ※数量に限りがございます。なくなり次第、終了とさせていただきます。
  • ※「オリジナル配送パック」は、パック資材の外装をビニールで梱包し、配送伝票はビニールに直接貼付された形態でのポスト投函となります。
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セブンネットショッピング 先着購入特典

・ オリジナル巾着

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・ オリジナル・ステッカー (TOWER RECORDS ver)
 約60mm×60mm

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 約60mm×60mm

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  • ※特典の有無に関するお問い合わせは直接各店舗へご確認下さい。

Catch Upオフィシャルインタビュー

――4年ぶりのアルバム『Catch Up』、どんなアルバムになったと感じていますか?

KENTA: 今まで通ってきた道のりに感謝を忘れずに今までも連れてこれからに向かっていくアルバムが出来ました。5年、10年、15年先の自分が振り返って聴いても間違いのないアルバムだと思うし自分たちが出したい音が出せた。技術面も含めて今までは余裕がなくて気づけなかったことも、テーマや期限を設けて意識的に変われたことで準備したり、冷静になって聴いたり出来ました。誰も予想がつかないセットリストで毎回セットリストを変えてツアーを回っているおかげで、20曲ライブのような流れで作れました。受け取った方たちには自分たちの歌にしてほしいです。

――いい意味ですごくシンプルに聞こえてくる、ストレートに伝わってくるようなアルバムになったなと思います。3部作でWANIMAの「土台」を作れたというのも大きかったですか?

KENTA: 3部作はすごく大きかった。コロナ禍で全てが止まった時に、自分たちで3部作にして出そうとか、白紙になった状態で道筋を引いて一つ一つクリアしていってできたのがあの3部作です。あの土台がなかったら、この『Catch Up』はできなかったと思います。

――FUJIくんはどうですか?

FUJI: 「これでいい」と思ってやってきたことを一回崩して、進化していけるように制作の方法をKENTAが変えました。最初は戸惑いましたが、制作の方法を変えることによってできた時間で自分の足りなかったところと向き合えたし、新しい発見もあった。そういうのを詰め込んだ新しいWANIMAの形が表現できているアルバムだと思います。

――KO-SHINくんは今回のアルバム、どんな作品になったと思いますか?

KO-SHIN: 今まで以上に起承転結、喜怒哀楽っていうのが明確に表現されたアルバムだと感じました。今までありそうでなかったWANIMAの曲だったり、「WANIMAってこういう曲だよね」というイメージをまた覆すような曲が、今回のアルバムには沢山入っていると思います。

――FUJIくんの話にあった制作方法の部分はどういうふうに変わったんですか?

FUJI: 今までは3人で集まってドーンと音を出して制作するっていう形が多かった。しかし今回はKENTAとKO-SHINでしっかり中身を固めた上で、自分がそこに最後に入って指示をもらい演らせて頂きました。

――どうしてそういう方法を取ろうと思ったんだろう。

KENTA: シンプルに、無駄を減らして効率よくやりたかった。曲を作る前に「こんな曲を作ろう」っていうのが見えた状態でさらに探って、それをKO-SHINに伝えて、歌詞もメロディもできた段階で期限を設けて作り、FUJIくんを呼んで「こういうふうに叩いてください」と。(KO-SHINと)2人で昼夜問わずやらせて頂き、作り方が変わりました。決して今までのやり方が無駄だったわけじゃなくて、何もないゼロの状態から3人でスタジオに入って音を出して作るっていうのも初期衝動の感じで今のWANIMAならいつでも作れるし、今回は自分たちがどうしたいかが明確に見えていたので、そこに手を抜かずに向かっていきました。

――それはWANIMAにとってはかなり画期的な変化だと思うけど、KENTAくんが言ったように、今まで3人で作ってきた音が土台としてあるからこそできることでもあるっていうことですよね。

KENTA: 人が変われば曲も変わっていくものだと感じたから。細かいことで言うとドラムのオカズやギターのリフや歌の入れ方、クセついたものの良さもあるけど、それプラス新しくブラッシュアップして、「変化」が必要になったときには、3人でドーンって出すよりは、もう少し俯瞰してみる時間が必要だと感じました。

――それはアルバムを聴かせてもらってすごく思った。ちゃんと幅を広げつつも、自分たちが今やれることを的確に選び取っている感じがする。『COMINATCHA!!』も幅広いアルバムでしたけど、また感触が違いますよね。

KENTA: 『COMINATCHA!!』は幅を広げようとしていろんなジャンルにトライしました。それが散漫になってしまった気もして。やりたいことはわかるが、自分たちが積み上げてきたものに対して、もう一歩伝えたいことが伝えきれていない、少し浅いと感じてしまって。振り返ってみたら、「柔軟じゃないな」っていうところもあったり。そういうところを今回の『Catch Up』ではきっちり全てクリアにしたいと決めました。弱さや反省を口に出す事でさらに積み上げてきたものに対しての価値も生まれた。昔の自分たちのよさも出せているし、『COMINATCHA!!』で出せなかった新しさも追求できました。

――KO-SHINくんは今回の制作はどうでした?

KO-SHIN: 自分たちが持っているものを理解しました。自分たちのやり方を一つ見つけた気がする。自分にとってもやりやすかったです。自分も成長できるし、それを形にしていく中で「ここは違う」というのもわかりやすくなって。より理想に近づけていけるスピードが速くなったし、効率が圧倒的に上がったなと思います。

――「効率」という言葉が出てきているんだけど、KENTAくんのなかで「効率を上げなきゃ」と思ったのはどういうことだったんですか?

KENTA: 曲数もそうだし、仕上げるというところで自分たちで期限を設けないとどこまでもやってしまう。そうやって制作に追われるよりも今回は追いかけ回したいなと。『COMINATCHA!!』の時は力不足+時間がない中でカスカスになりながらやっていた感じがあったけど、今回はきっちり自分たちで追いながら「出口はどこだ、答えは何だ」と探しながらも楽しみながら……歌詞にもあるように、〈大変を楽しんで 希望だけ深めて〉って。10曲目の「Damn away」は短い曲ですが、自分たちの中で何時間っていう制限を設けてゼロから作りました。だから〈ゼロから始まって/スピードあげる夜/俺はここだ〉って叫んでいるけど、1曲1曲作ったときの場面、匂いだったり色だったり鮮明に思い出します。うまく着地が出来なかった夜に対しても愛おしく感じるくらいに、思い出や思い入れがかなりあるから、今回はいつもよりアルバムを出すのが楽しみ。これからも続く音楽人生で振り返った際にもすごく意味があるアルバムやなって思えるほど忘れられない1枚です。

――すごくありきたりな言い方になっちゃうけど、聴いて「新しいデビューアルバムができたな」って思ったんですよね。それが「楽しめている」ということなのかもしれない。『Catch Up』っていうタイトルはいつごろ決めたんですか? このタイトルですでにツアーもやっていますが。

KENTA: 「Catch Up TOUR -1 Time 1 Chance-」を始めたときにアルバム出すって言っておけば良かったなって。そのときにはもうアルバムを作ろうという気持ちになっていたから。俺らがどんな気持ちで「Catch Up TOUR -1 Time 1 Chance-」を周っていたのかも、このアルバムを聴いてもらったら答え合わせができると思う。ツアーを周っていくなかでアルバムはゴールに向かっていったので、そのツアーの雰囲気も連れてこのアルバムを10月にぶつけるというのは、もう一度デビューするかのような気持ちです。昔の自分たちが今の自分たちを見ても「あいつら面白いことやってるな」って思ってもらえると思います。誰も予想がつかないセットリストでツアーを回って、ひりつきながら全公演セットリストを変えてやりました。そのおかげで今回のアルバムの流れもライブを観ているような感覚で聞いて頂けると思います。

KO-SHIN: 「Catch Up TOUR -1 Time 1 Chance-」はお客さんの声出しも解禁されて、コロナ禍でお互い溜め込んだものを発散する感じがありました。一緒に乗り越えてきたから意味合いも変わってきますね。

――そのツアーでも、フェスでのライブでもそうだったんですけど、「眩光」という曲の存在はすごく大きかったですよね。

KENTA: あの曲は僕が大事なものを見失っていたときにできた曲です。誰に支えられて今自分たちが生きているのか、何のために音楽をしているのか。自分と会話しながら、何がダメで、何が自分の大義で正義なのか、立っている意味、生きている意味を考えていた時期でした。生きとる間に大事なものを見つけることができるかできないかが分岐点な気もしますが、自分のダメなところにも気付いたときだったし、「眩光」「あの日、あの場所」というのは自分の中でもすごく大きい曲です。あの曲がなかったらこの『Catch Up』にも進めていないだろうし、すごく切り替わったポイントです。

――「眩光」では〈真っ暗な夜の夜明けはここだ〉って歌っていますけど、苦しみながらも夜明けを見つけたというところからこの『Catch Up』というアルバムが始まっていった感じがすごくします。このアルバムでも「ここから始まるんだ」ということを何度も言っていますしね。

KENTA: 「眩光」や「あの日、あの場所」を作ったときの記憶が蘇ってきますが、そのときに僕のなかで人としてどうありたいかっていうのがはっきりしたポイントだったので、自分の気持ちが全面に出された曲だと思います。この2曲で大きく変わっていきました。

――だから、このアルバムは「遠くまで」や「夏暁」など未来のことを歌った曲がすごく多いですよね。『Chopped Grill Chicken』の最後の曲「いつかきっと」は〈ここからもう一度〉という言葉で終わっていたけど、今回はさらに前向きに今から未来に向かっている感じがする。それが今WANIMAが伝えたいことなのかなと思いました。

KENTA: 今もフェスがあったり、ツアーがあったりっていうなかで制作をやっていますが、最近は明日とか昨日じゃなくて「今日だけ全力で生き延びる、今日だけやりきる」って考えでやっています。何かを追いかけている方が楽だし大変を楽しんでいけるように。地味なことの積み重ねをやる。SNS見ても成功例ばかり出てくるけど、本当は小さい失敗の積み重ねで気付きがあるはずだから。それを諦めず繰り返していくことで小さな光や小さな出口、小さな奇跡を掴みたい。スカさずに耐えて生きている連中にこのアルバムが届いたらいい。歌詞を見てもらって自分の歌にしてほしい。

――今作の制作作業も今言ってくれたように「今日だけやりきる」っていう気持ちで1曲ずつすベてを注ぎ込んでいった感じだったんでしょうね。それが結果的にアルバムとして大きな振れ幅を生み出したというか。

KENTA: ぼやっとしたテーマじゃなく、はっきりとしたテーマを持って1曲1曲作っていきました。「Do you get it now?」はだいぶ前に作っていた曲をボイスメモから引っ張り出して。それをもとに一晩で作ると決めて、それでダメだったらもう無理だからやめる、なしにするって。そのボイスメモを開いたのもツアーの合間で、移動中も無駄にせんどこうって自分のなかで意識した。それで「今回『Catch Up』に合うかもな」って。〈変わり続くLike this town/ビルの谷間にまた陽が射して〉っていう歌詞も、ずっと渋谷でバイトしてたから、その渋谷の情景が浮かんだり、朝方のビルの間に日が差し込む景色とか思い浮かんで。この曲を見つけたツアーの移動中の景色も思い出す。そうやって1曲1曲説明ができるしボツになった時間さえ愛おしい。「夏暁」もそうだし「FLY & DIVE」もそう。1曲1曲、テーマと「どういうふうに作っていこう」というのを明確にして作っていきました。

――「夏暁」にはどんな思い出があります?

KENTA: 「夏暁」と「FLY & DIVE」は東京→沖縄→東京の間で作り、とにかく時間が作れなかった。「WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2022」が終わって、沖縄で一睡もせずに作った記憶が蘇ります。笑

――「夏暁」と「FLY & DIVE」はNetflix シリーズ『GAMERA -Rebirth-』のタイアップなので締切があったんだと思いますけど、そうじゃない曲でも自分たちで締切を作って……。

KENTA: 音楽はどこまでもできちゃうから、期限を作らんとダメ。「これでいこう」って決められるのは期限があるからです。

――でも前までは違ったってことでしょ?

KENTA: 前まではシンプルに作り方が下手やったし、柔軟じゃないし余裕がなかった。ゼロから作った曲たちが多くてそれだけを追いかけていたから。やっていく中でボツになった曲たちも結構な数あったりしますし、このアルバムに入ると埋もれちゃうよなっていうので次回に取ってある曲もあります。楽しみながら制作できました。アルバムは20曲という数になりましたが、流れで聴いていただいてもライブの景色が浮かぶし、新しい切り口もある。昼夜問わず聴けるアルバムになっています。

――FUJIくんはとくに印象に残っている曲はあったりしますか?

FUJI: 「遠ざかる声に」です。ミドルテンポや遅めのBPMの曲をできると自分で思い込んでいました。いざ取り組んでみると全然ダメ。ドラムと向き合える時間もかなり増えたので意識してやりました。それでも「力不足」っていう部分も正直あります。自分に必要な部分が明確になりました。

KENTA: これから先、必要になるようなプラスな課題も見つかったし、3部作のときとはまた違うそれぞれの土台ができたと思います。それは今後生きていく上でかなり重要なことだと思います。これを作ったからこそ「今度はこうしたい」とか「これができたんやったらこうできる」とか「これがあるからこれを新しくしてみよう」など生まれてくる。この20曲ができる前はどうやって完成に辿り着くのか、食らいついて日々やっていました。

――「遠ざかる声に」はすごくいい曲で、〈旅を続けよう〉という歌詞で終わるところも含めてアルバムの最後っぽい曲なんだけど、このアルバムはそこで終わらないのがすごくいいなと思っていて。その後に「Midnight Highway」と「舞台の上で」という、それこそ今の自分たちの姿を描くような曲が来るのが、まさにKENTAくんの言うように「この先」につながっている感じがする。

KENTA: 後半戦の曲たちは制作でも最後のほうに作ったんじゃないかな。「舞台の上で」はそれぞれ生きてる日々が映画のワンシーンのような、映画の主人公のように、ピンチの時もチャンスの時も自分を俯瞰してみて踊るようにくぐり抜けてほしいなって。生きてる中でいちばんの結末はまだこれから来るはずやからって自分にも言い聞かせながら、ちょっとヨレそうになるときに正してくれる言葉を歌いました。

――ここで歌われる「舞台」っていうのはもちろんいろんな人の人生のことでもありますけど、当然ながらWANIMAも日々ステージの上に立って音楽をやっているわけで、そこも重なってくる感じがすごくエモーショナルだなと思いました。「サシヨリ」もそうですよね。ライブをやっている自分とそれを見ている自分を対比で歌っている。

KENTA: 「サシヨリ」で思い出す景色はLEFLAH Crewと一緒にフェスを観に行ったときのことを思い浮かべながら作った。今はステージに立って歌っているけど、あのときはステージを目指していたキッズの自分がいて。もう10年以上前やけど、あのときの自分が今の自分を観たときにダサいって笑われたら負けやなって。あのときの自分に認めさせたい、「カマしとるやんお前、間違いないね」って言わせたいやん。そんなこと想像しながら作った曲やから、鮮明に絵が浮かびました。自分がひよったときにはこの曲を聴いて、歌って何回も再確認できる曲です。

――だから、どの曲もすごく具体的なんですよね。KENTAくんの記憶とも強く結びついているし、だからこそそれが聴く人にとってもはっきりとしたメッセージになるしっていう。「Chasing The Rainbow」とかもそういう曲だなと思いました。これは東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手の登場曲として作られた曲ですが、同時にすごく自分たちのことを歌っている曲でもありますよね。

KENTA: FUJIくんの後輩の村上選手から「曲を作ってほしい」って言っていただいて作った曲。スタジアムの大きいところで鳴り響くような壮大な感じをイメージしていたので、ビートも大きなものになるようにオーダーしました。きっと戦う場所が違うだけで、やっていることや向き合っている孤独や葛藤はスポーツ選手も僕らも似た物同士やなって。「虹を追いかける」なんて非現実的なこと。でも僕らは日々、目に見えない夢を掴むために四苦八苦している。村上選手もそうだし、聴いた方もそうだけど、現実に、自分に、負けそうなときに届いて欲しい歌です。

――このアルバムにはタイアップ曲もたくさん入っていますけど、どんな曲で、それを作った相手が誰であれ、同時にそれは自分のためでもあるという。そこが完全に重なっているというのがこれまでともちょっと違う感じがします。

KENTA: ムネや福岡ソフトバンクホークスのギータに書いた「遠くまで」松山英樹君には「扉の向こう」関係性がある中で、タイアップでも今のWANIMAの意思やテーマを持って作ることで、伝えたいことを伝えられるようになってきたかなと思います。

――KO-SHINくんとしては今回の曲でとくに印象深い曲はどれですか?

KO-SHIN: 「夏暁」です。曲ができて今までにない感じでした。やりたいことがしっかり詰め込めて表現できたし、それが自信になりました。沖縄のライブのすぐ後にスタジオに入って作った記憶も蘇るしすごく覚えているから。WANIMAを強く示せているんじゃないかなと思います。「ともに」とかちょっと前の僕らのイメージもこの1曲で更新されていくと願っています。

――うん、「夏暁」は今まで以上に多くの人に届くような曲になっている気がしますね。そういう意味ではWANIMAとしてはずっと、より多くの人に届けたい、広げたいという気持ちでやってきたじゃないですか。そういうことを実際に言葉にしていたし、その姿勢はいろいろなアクションにも表れていたと思います。その気持ちというのは今はどう?

KENTA: WANIMAを広げたいというのでやってきたけど、伝え方にちょっと問題があったなとも感じていて。本来WANIMAが伝えたいことじゃないところで認知されてしまった部分もあるはずだから。ただ明るいだけ、ただポジティブって。でもそうじゃないところが多くあったから。パブリックイメージと本来のWANIMAの温度差がありすぎて、入り口で止まっていた人もいたはずだから。育ちや環境が悪くても弱音を吐かずに、現実に抗いながら、辛い奴ほど笑うツレが周りに居てくれて、そんな奴に俺は救われたから。いつ最後になるか、わからんから残る写真は笑顔でいようって。そんな心内の声を伝える事なく、伝わるやつだけでいいって諦めていたから。でも今は自分たちがどういう生き物か、どういう気持ちで音楽をしているのかっていうことを伝えられていると思うし、どこ切り取ったって説明ができる。またこのアルバムがどんな感じで伝わるんやろうなって楽しみです。

――そこがこのアルバムのすごく大事なところだと思います。制作の部分で効率がよくなったっていう話もあったけど、効率をよくすることでより自然体で作れるようになったということなんだろうなと。

KENTA: 切り替えられるようになったのかなって思いました。気持ちの面でもかなりね。歌詞を作るときは同じテーブルに座って同じドリンクを飲んで、同じ照明で同じ格好でって、全部決めなダメな人やったから。「ステージには左足から入る」とか、全部決めてやらないとできないって、自分でマインドコントロールしていた。でも今はどこであろうと集中できるようになったから。日々積み重ねてまわりに相談しながら、自分と会話しながら成長させていきます。

――そこまでやらないと自分はWANIMAのKENTAになれないっていうのがあったのかな。

KENTA: あれを続けとったら、スピったおじさんになってしまってたと思う(笑)

――なるほどね。じゃあ、このアルバムを作ったことはバンドとしてもKENTAくんの人生としてもすごく大きな意味を持ったんですね。

KENTA: このアルバムを作って自分たちの中での希望も生まれたし、今までを振り返って「こうすればよかったな」っていうのを全てプラスにしていけるようにって気持ちの部分が大きく変わった。全面的にそれが歌詞にも出てる。最近ライブでもやっている「バックミラー」では「バックミラーに映る景色が過去の景色とするんやったら」ってMCで喋らせてもらっている通り、バックミラーだけ見て運転することはできんし、前だけ見て運転することもできんし、振り返りながら「あのときああやったな、じゃあ、今の自分やったらどうできる?」って反省もする。いつか振り返ったときにいろんなことに対峙できるし、「あのときの自分の選択は間違いじゃなかったね」って言えるんじゃないかなって思っています。

――ここから新しいWANIMAのやり方、進み方が始まっていくっていうことですね。

KENTA: 振り返ってああだこうだ言うのは簡単やと思うけど、進んでいくしかない。決めた方角を信じていく。色んな感じ方はあると思うけど、愛と情熱だけは失わずに生きたい。いつか「手を抜かず20曲作ったよな、よかね、よかね」ってこのアルバムを思い出す日もあると思うから。汗かきながら楽しんでやります。

Interview by 小川 智宏